東へ/
bjorn
触れそうに近かったあの日
話の接ぎ穂は見つからなくて
別れた後に思い出し
改札の向こうを振り返る
夜毎広がる星空のように
寄せては返す波のように
君みたいな人が現れて
私のような誰かが憧れて
いずれ人波に消える君の
残した文字だけ抱きしめた
君はきっと忘れてしまう
その眼差しはずっと遠くて
駅のホームに下りたあと
君の街へ吹く風と
東に向かう雲に祈るよう
見つけた言葉は手放して
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