優しい風/乱太郎
 
陽射しを包み込んで
柔らかい手をした
風が
頬を撫でる

気持のよいそよ風

抱きしめてあげたい
その温もりを感じて

応えてあげたい
その優しさに感謝して


風は黙って
微笑みを雲に乗せて


求めてばかりいる自分に

求められることを拒絶する
形のないもの

消えていく感触と

残された自分


あの時の風は優しかった
いつまでも
覚えておこう

いつか
風が泣いていたら
なぐさめることができるように

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