光跡(4)/
信天翁
色あせたアジサイが
垣根のあいだでじっと舐めています
梅雨入りの雨粒を
待ち焦がれたように
いろじろのむくげが
鬼門でじっと待っています
梅雨明けあとの軟風を
待ちくたびれているように
ひからびたねこぜのかげも
裏鬼門でじっと虚空を見つめています
入道雲を駆け上るペガサスを
待ち望んでいるように
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