恋しくて/小原あき
 
地球が背伸びをした
夢の中から目覚めて

(いつになったら
孤独は消えるのだろう)

そんなことを考えていた

夢で見た
木星との
失恋を思い出していた

悲しかった
こんな夜は淋しくて仕方がなかった

だけど、宇宙は
朝がないから
どこで悲しみを
乗り越えれば良いのか
わからなかった



せめて



あたたかい布団で
眠りたかった

自分の中で咲いている
小さな花を
自分と重ね合わせて

地球は
自分の居場所を



探していた



だけど

木星が恋しくて
しょうがなかった


いつになれば
夢から覚めるのだろう








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