ひとよ 昼はとほく澄みわたるので/yo-yo
 
った。
林の木々はやわらかい緑に染まり、鳥たちは、甲高く透き通った声でしきりに鳴いている。浅間山は、懐かしい記憶のかたちのままで蘇ってきた。

   ああ ふたたびはかへらないおまへが
   見おぼえがある! 僕らのまはりに
   とりかこんでゐる 自然のなかに

   ひとよ
   いろいろなものがやさしく見いるので
   唇を噛んで 私は憤ることが出来ないやうだ





*文中の詩はすべて、立原道造の詩集の中から断片を引用したものです。



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