海、あるいは水曜日の三時間目/Utakata
柔らかな白い歯でゆっくりと噛み砕いていく
罫線付きのノートにあるのは、
二十四本の水平線で
僕たちはいつだって ノートの枠をずっとはみ出した
その先にある白い宇宙に 丸まりかけた鉛筆を使って
触れようとした ね
カミュなんて読んだこともなかったけれど
太陽のことは知っていたし
シャツからはみ出したような手足を
しょうがなくその辺に投げ出して
突き抜けるような空にふと輝く呪いにも似たそのの痕跡
瞼の裏で
赤く弾けた
太陽のことは知っていたし
僕たちがやって来たのはどんな世界なのかということも知っていた
ただそれを適切な言葉で表すことが出来なかったというだけで
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