カフェにて/渡邉建志
 
がってもらっているよ、という。松子さんですよ、と答えると、あ、そうそう、松戸で拾われたから松子さんというんだった、と言って去っていった。そうだったのか。

松子さんが公園で楽しんでいるので僕はカフェに戻った。小雨が降った。松子さんが帰ってきた。おなかが減ったんだね、とさなえさんが言ってえさを出した。それを食べてから松子さんは一階のお客さん(そのときには4人の家族連れと僕がいた)のつくえの上を器用に回り、それからカウンターを越えて厨房のほうに行った。僕は本を読んでいた。将来について悩んでいた。さなえさんが、Kさん見てみて、松子さんこうやって水を飲むのよ、と言った。カウンター越しに見てみると、彼女
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