大切な消しゴム/
ぽえむ君
大切に使ってほしいからと
単純な直方体ではなく
いろいろな形の消しゴムが
たくさん作られた
なるべく人気のある人形や
自動車や食べ物など
色や匂いも工夫されていた
開発が開発を繋げ
本物そっくりになっていった
もはやそれは
消しゴムではなくなっていた
元来の目的を失った消しゴムたちは
消えることもなく
消すこともなく
筆箱の中で
多くの子どもたちから大切にされたが
大切には使われなかった
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