鳥による景色/山桃
 
しょんぼりとした小さなおまるに
可愛いらしい赤裸の小鳥
小さな口ばしふにゃりと動かす
椿がひとつボタリと落ちる
気まぐれに捨て台詞ひとひり
天窓から、かしこの家に忍び込み
清いもうふに包まった
般若の甘い舌をなめ
隅にかくれた屋根裏の埃
祓いまわって去ってゆく
戻る   Point(2)