般若心経と妹のパンツと汁が飛び交う嬉し跳び大作戦決行日/土田
 
 その長方形の囲みから抜け出したくて。

 十九時半には、冷凍食品ばかりの飯とばあちゃんのしょっぱい蕪の漬けものを食い終わり、風呂で念入りに自らのそれまでの穢れを洗い流し、最近やっと再就職したばかりの親父が二十時半に帰ってきたあと、その一時間後に、後々のmyチャリンコを迅速かつ丁寧に救出すべく、ガラガラうるさい車庫のシャッターを、ご近所に不審に思われないよう半分だけ開け、それからおれの今までに出した精液の湿気を背負っているような重い布団にくるまりながら、電話帳に女の子の名前が一件も入っていない携帯を三時五十分きっかりに鳴らすべくいじくり、あわよくば夢精の二歩手前、射精の三歩手前まで精神統一ため
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