「正しい事・間違っていない事」〜ドラマ「わたしたちの教科書」から〜/北乃ゆき
加地のクラスで引き続き行われている悪質ないじめを加地は見落としてしまう。そしてこれらを神の視点で正確に観れる視聴者には加地が自らの感じた正義に奢る愚者に思える。
★加地の描かれ方は辛らつだ。自らの正義を信じる彼は自分では何一つ間違っているとは思っていない。しかし彼が見落としている物は確かに存在する。誰が加地を笑えるだろう。加地を笑ったとき人は加地になる可能性を自らの中に生み出すのではないだろうか。人は無意識に自分が理解出来るように物事を捉えたがる。でも現実にそんなにシンプルに構成されているものは少なく、自らの経験や知識を糧に「正しい事」を決めた時、見落としてしまう事が生まれてしまうのではな
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