風騒(1)/
信天翁
わびしいことだが
もはや 純白と漆黒のネクタイ以外
格子柄も水玉模様も不要となった
いま タナトスの掠れた呼び声の合間で
過ぎ行く日々への愛惜と
あすへのつつましい想いは
滝となって切れることがない
あゝ いとおしいことだが
紫陽花が酸性の小旗を掲げている
見栄えのしない庭隅で
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