徒然ー「夜半」/ワタナベ
 
今夜半からの雲に覆われた月の光は
それでも雨粒に溶け込んでアスファルトにあたるたびに
ぴんと張った鼓膜をゆるやかに振るわせる音で
うずくまった街並みの背中をそっとなぞっていくから

さみしさは、目のずっと奥のほうで鳴るノイズ
誰もがぬぐうことさえあきらめてしまって
じっと耳をすますと
淡い月の光の
その音

すいこまれてゆく


雨の降る夜

戻る   Point(5)