徒然ー「夜半」/
ワタナベ
今夜半からの雲に覆われた月の光は
それでも雨粒に溶け込んでアスファルトにあたるたびに
ぴんと張った鼓膜をゆるやかに振るわせる音で
うずくまった街並みの背中をそっとなぞっていくから
さみしさは、目のずっと奥のほうで鳴るノイズ
誰もがぬぐうことさえあきらめてしまって
じっと耳をすますと
淡い月の光の
その音
に
すいこまれてゆく
夜
雨の降る夜
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