炎天下/yoyo
乾いた酸素は欠乏し
曖昧な沃素が宙を舞う
蒼白な額に塩分を散らして
着古したシャツは
肉体と密着して色褪せてく
そういえば
蜃気楼をみたことがあるか
アスファルトに靄がかかり
熱風が我が身に触れていく
空を見上げれば
灼熱の炎を発す太陽が
容赦なく地軸の加減で膿をだす
じくじくと湿って
寝苦しい夜分を迎えさせる
ただそれが季節がかわる
この国に生まれればこそ
腐食にも似た感情を
抱かせているのではないか
そこに経度と緯度と私の
しがない関係はいつまでも続き
ほんのわずかな存在にすぎないと
空は愚痴をこぼした
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