砕け散る空気の終わりに/鈴木カルラ
 
っている、始める必要は無く、冷酷に変わらぬ時間を見ていればいい、たとえ空気の一粒一粒の未来を占うとしても、祈るとしても、避けられない、そして、あるいは、普遍性へのいかなるものも昇華させてしまった、今となっては――

そうなのだろう、私のみでなくすべての人々も、そうだ、不愉快と知っていても、今と、この瞬間でさえ思い出すのだ、最初から決められていた、その心によって刻まれたイコンとして、それが、激しく具現化しただけのことして、私たちは、ただ、受容するだけでいい、それを享受するしかない、

そうなのだから、ならば、歌おう、私は折れた愛情をもって、先例がない慈悲について歌うだろう、終わりの季節を祝うために、

そして、私が、私の唇にふれる空気の破片で、唯一、その感触を留めるべき証し、その火球のような空気、その鋭いガラスのような空気を、流れ出る天国への追悼のために、記憶しておこう、
永劫の未来は終わっている、今、この瞬間だけがある、繰り返し、繰り返し、この感触の記憶を吟味しよう、
今、この瞬間の空気は砕け散ってしまったのだから、


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