/紀茉莉
 

祟るのです、ほほえみが
かなえたいねがいの前に
いつか誰かが殺した我がみえるから
いえない
いつまでも
ねがいのなかに
したじきになった

叩き割って
音にかえる道で
どうしても
封切ることのできない生理的な肉体をもって
根源的に
ゆらいだまま
生命に
吐いたまま
それでも
生きたいとねがう矛盾に
死者の声をいだいて


ありがとう


いつか、すべてのねがいが消えるときの言葉が
せめて
すべての
我からの言葉でありますように
そんな
いのりさえ

もう、リボンを置いて


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