昔の話/tomtom_poem
 
どんと一発ぶちかまされて
裏一面の穀物畑
なだらかに挟まれて
おじさんの古い農家につづく道

素直に手を引かれていた男の子は
急に独楽で遊びだし
ぶんぶんうなって動かない
洞窟のようなトンネルに入ってみれば
机があって
書き物をしていた人が
蹲りだす
飽きた男の子が帰ろうという
後ろ髪引かれて
手を触れて歩きだす

わたしは独りになっていて
灰色の夜道をどこへともなく
すっと行くと
崖の上の道
雨がたいそう降っていて
土砂ごと
下の小川に
バスごと
引っくり返ったそうな

死んだ人も出て
その後
道は通行止めになったと
古い農家で
おじさんは言った



全店シャッターの下りた
書割のような商店街

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