放課後の音楽室からのピアノの音と想い出の中の時間の流れ方は良く似ている/我辣波饅頭
苦しかったことも 無かった事にならないように
ひとつ ひとつ 確かめるように思い出しながら
でも 世界が終るときに独りぼっちというのも
案外に悪い物じゃないのかも知れないと
最近少し思う
一升瓶二本持って 好きな風景のある場所で
塩辛い食べ物たちと
鳥肌が立つ程の 孤独感と感傷を肴に
世界が終るまで飲み続ける
感傷というのは 結構酒をススメさせる 良い肴になる
酒を飲みながら 独りきり にやりと
終わりゆく世界と杯を交わしながら
「馬鹿野郎 こん畜生」ってw
でも 実際世界がいつ終るかなんて
そうそう解ったものじゃない
私達は 世界という
ライカ犬が閉じ込められた塊よりも
大分と広い塊の中で
大凡何十年かは 世界の終わりを見つめてゆく
生きるというのは 死を そして終わりを
見つめ続ける事だ……
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