ルミナリエ/ひろっち
メタボリックが月夜を彷徨い、老婆が腕立て伏せをする。
犬がInuを喰らい、ところどころに肉痕を残したまま、
明日をも喰らう。
ガラスがギゴギゴ音を立てて、ぱこんと叩いたら罅(ひび)割れて、
僕はその破片を、圧力測定のように握り締める。
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ルミナリエはきれいだった。
九州ウォーカーの何ページ目かにルミナリエが載ってて、
きれいだと間接的に感じて自分の言葉のように吐く。
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ワイングラスに指輪を沈めたら、女はそれを確かめることなく、
飲み干してしまった。
「あーおいち。」
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そんなことが多すぎる。
と偶(たま)に思う。
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雨が降らないので、
今年は渇水だと今のうちに予想しておこっと。
当れば、予言にもなるしね。
軽い。 かるーい。
ぴよーん。
ぴよよよーん。
ぴと。 血痕の滴(うみ)をやさしく舐めてみる。
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