仏壇/さかな
 
 
 つれあいと結婚した時、ニつの部屋がついている市営住宅に住んでいた。義弟もいて、三人で暮らし始めた。義父は亡くなっており、七回忌に遠方からの親戚を呼んだとき、私たちの結婚も報告した。住んだ部屋には、仏壇はなく、ガラス戸のついている棚の、ガラスを抜いて、そこに遺影を置いていた。経済的な事情でお墓もなく、お骨はお寺さんが預かってくれている。
 最初の子どもが生まれ、義弟も家を出て生活するようになったが、それでも市営住宅では手狭になり、家を建てる計画をはじめた。家を建てるのは大変だとよく聞いていたが、すったもんだがひととおりあったあと、無事、マイホームが建った。
 私たちは、家が建ったら、仏壇
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