新しい魂/
草野春心
た・・・
テーブルの上に林檎。それは生活を、人生を・・・魂を選びとる権利だった。ああ!待ってくれ。まだ俺は一度として、真実を語りえていない。・・・待て、待ってくれ!!
*
太陽の不敵な輝き。五月の見事な新緑、その色と薫り。永遠のように響く子等の声。ひとりでにゆれる公園のブランコ。
そのすべての、外側に、かつ内側にAは住んでいた。彼は新しい魂を信じた。生活には真実の潤いが、人生には真実の賑わいが還ってくるだろう。
戻る
編
削
Point
(1)