書き人知らず/ロカニクス
 
んどん忘れていきました
ページもそろそろと消えていき
河原の小石のように
薄く滑らかになっていきました

私は読みました
読むことしかできませんでした
覚えることしかできないように
忘れることしかできないように
それをできるに変えたくてか
必死に握って読みました

ある日
読み終えました
カバーが残りました
カバーも消えました

本の内容は
消え人
覚えうとすはの私の話で
本と一緒に消えたかと思われます



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