かやのなか/
いとう
見詰め過ぎたのだよ秒針の動く早さとたどり着く先と
針と針の間を裂き開いてしまえば
残酷な黒い時が溢れ出すとも知らず
罰を受けたのだよ二度とその指で
太陽を掴もうとするなとイカロスのように
もう聞きたくはないのだ
詠うな絶望にひとすじの炎を揺らめかせた瞳で
惑するな病んだ詩人よ
健全すぎる精神に逃れたわたしを
ああ鋭く笑った美しい病魔が
指先をするりと汚していった
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