かやのなか/いとう
 

自分の趣味で申し訳ないのだけれど、女性の書く詩が好きだ。
女性詩、あるいは女性性を持った詩、とも呼ばれるそれらは、
目に見えているのに決して触れられないもののような気がする。



贖罪



赤色の電球が落下して
横たえた体の真上で破裂する
透き通って赤いガラスの破片が
ゆっくりと飛散し
白い二の腕の内側や
粧(めか)した鼻のてっぺんや
潤んだ眼球に降り注いで
わたしはやっと
優しく微笑むことが出来る

それはいかがわしいホテルの
照明のようであったし
とても安っぽい
痛みであったし




現代詩フォーラムで名前を見つけたかやさんは、
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