青い膜/リスト
 
けだるい朝に、マッチを擦る事がどうも好きみたいで、火の消えた後のマッチのにおいをかぐと、くさい酒のにおいも少しのあいだ、からだのどこかで大人しくひそめていること

そとからの目をさえぎっている濃ゆめの青いカーテンを、いまだせるたよりない腕でひとふりすると、片方の半分だけひらけて見えたそとの景色。くもひとつみえない濃ゆめの青い空、まだ、朝らしい朝がきたわけではないので、この気だるさはもうしばらくつづきそうだな。ひょっとしたら今日はくもりの日なのか

飛行機が、何色かのいくつもの灯を点滅させて、飛行している。去年の年末に、友達と空港線の近くで、飛行機が離陸していった時の無の状態になっていたこと、時計のアラームがけたたましく鳴ったのところを左腕で叩いた時

うすらおぼえではなくはっきりと、おれはそこにいた。したたかな心臓にしっかりとたもたれたまま、休すべきだった日に


はっきりとした朝の色がではじめたころに、おれは、また、青みがかった白いマットにひろがるうつくしい海へとかわいた体をぬらしにゆく



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