source/水町綜助
+四杯目から+
店の一番奥に大きな真っ黒なドアがあって
それはちょっとやそっとでは動かせそうにもないタンスで蓋をされてる
さらにはドナセラなんたらとかいう幸せの木の鉢植えでカムフラージュだ
育ちすぎてる
酒も回った胡乱な目つきでそれを見つめていると
相席しているさんぴんがカウンターをとんとん叩いた
*なに
+あれなんだろうね
*なにが?
+ドア
*しらないだからみてた
+ずっとあのままだよ
*ああ
+このみせもう奥行き無いよね
*ああ
+厨房あっちだし
*物置かなんかだろ
+あんなでかい扉で?
*しらねえ
+たんすで蓋して?
*わかんね
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