いくつもの 路上/水町綜助
 
水溜りは空を映しこむだろうが
さして時間も掛けずにそれは乾くだろう
ことに街中ともあれば路上に水がとどまる事はない


  *


汗をかいている
背中の汗の珠を
そのふくらみを想像して
虫刺されの腫れを連想して
早く服を脱ぎたくなる
なんていう大げさなことはまったくなく
僕は町の中を歩く夏
喉が渇いたのはほんとうだ
でも350も飲めそうにない
赤い自動販売機は日差しにやられて
発光して白くなってきえそうだ
顕か過ぎることもかんがえものだ、と
通り過ぎながらここ四年くらいを思い出してみるが
断面をみた記憶はない
断片ならあったが
という駄洒落みたいなこ
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