真夜中のミサ/いねむり猫
もはや自分で立っていることができない
もたれあいの波
惰性と汗と酒臭い息にまみれた
終電から開放されて
深夜の自転車置き場にたどり着いた
鉄道の高架下に広がる広大な空間
明け方まで電車が通らない静けさの中
私の自転車だけが取り残されている
薄闇の中に整然と並ぶ巨大な柱の群れ
見上げる天井は
毎日数万人を乗せて走る列車を支えるレールだ
柱で星空と三日月が分断され
遠くでまたたく原色のネオンが
荘厳な教会のステンドグラス
どこまでも続く奥深い祈りへの道
思い出したように灯されている淡い街灯の導く先に
見知らぬ祭壇はあるのだろう
深夜のミサにぬ
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