夜と雨に関する手紙vol.1/マッドビースト
この寒い雨の夜に
独りなのは自分だけと
君は悲しんでいるだろうか
今夜は僕も独り
仲間も別れ
部屋にいる
昼には歌う雲雀も
今は
雨に打たれ巣にうずくまっているだろう
群れて咲く躑躅の花も
背を向け合い花を閉じ
光が射すのを待っているよ
なによりこの雨雲も
海より別れた寂しさ
だから泣く
この夜の薄暗さは
その雨雲に分かたれた月が
空に独り寂しさながらに照らすから
僕も今夜は独り
じっとして
君に会える次の朝を待っているよ
僕らには毛布も傘も
なんなら携帯電話もあるけれど
小さな痛みに耐えるべき夜は
きっとそういうものでは補えない充実感を
次の朝日に混ぜてくれると思うから
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