「すべてがつりあいのなかで」/ベンジャミン
たとえばだれかのこうふくが
だれかのふこうのうえにあるとしたら
それはとてもかなしいことかもしれません
そのかなしみもまた
だれかのよろこびのかてになっていて
だとしたらとてもふくざつすぎてもう
ただしさとかあやまちとか
まっすぐかたることなどできません
かなうならぼくのこうふくが
だれかのふこうをささえるものならば
こんなにうれしいことはないのでしょうに
こうふくはあまりにあかるいので
くらがりにひそむかなしみは
どうしてもみおとしてしまいます
じぶんがくらがりにいるときも
こうふくはあまりにあかるいので
くらがりからうらやましそうに
どうしても
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