要冷凍/AB(なかほど)
 
氷点下十五度の空気を吸いながら
せかせかと歩き
空を見上げると雪がはらはらと
はらりはらりと
降るのは粉雪でもなく
結晶のままの形で成長し
黒い手袋のひらで
そっと受け止めると
そこに星が散らばってゆく
アスファルトの上にも
星が


帰ったらシチューだよなやっぱり
と言いながら手袋で星のままの雪をはらうと
服も靴も濡れてなくて
ドアを開けると
夏子がハサミで包装フィルムを切り刻んでいた
切手サイズのそれは
ベルマークとかポイントとかそんなものではなく
きっとリサイクルマークだろう
中でもお気に入りは塩素を含まないPPだと言っていた
のを思い出しながら
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