アン アップル/雨宮 之人
たったひとつの言葉を抱えて
俺たちは生まれてきたんだ
でも最初にリンゴをかじった日から
あんまり月日が流れていって
別れ別れになって俺たちは、忘れていった
それからどれだけ俺たちは独りで
気付けばどれだけ俺たちは二人で、違う、それ以上で
あなたに、そうだあなたに
愛されていて、許されていて
それなのに明日がくることを
どれだけ当たり前だと思っていて
それはずっと前から知っていたんだった
同じようにリンゴの味で思い出した
たったひとつだってことを、俺たちは
それだけを、知っていたんだって
だからそれぞれの場所で
歌を、歌うんだよ
ハレルヤ
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