大抵の芽は潰しますが/clef
 
ふつふつと醗酵を始める嫉妬の萌芽は
決して所在など確かめぬまま
春の夜風に放り捨てればいいのだ

分かっていても
握りしめた手のひらはこわばったまま
開かない
体温のある限り蔓延(はびこ)り続け
挙げ句に胞子をまき散らす
いつもの倣(なら)いだ
隠匿する覚悟もなく
他人のもののように笑って看過もできぬのなら
決心して
拳(こぶし)のまま氷水に浸してしまえ


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