夢見る水/
壺内モモ子
いきおいよく少年が飛び込んだ
水しぶきキラキラ
太陽の光に照らされた、色とりどりの宝石は
産み出されては、一瞬で消え
産み出されては、一瞬で消え
やがて人々がいなくなると、水はそっと眠りにつく
静かな夏の夜
水は時々、花火の夢を見る
にぎやかに打ちあげられる花火と共に
ぱしゃっと、水しぶきをあげるのを
お月様だけが知っている
お月様だけが知っている
お月様は、やさしくほほえんで
夢見る水にキスをする
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