森への道/いねむり猫
 

やさしく思い出させてくれる

一つしかないと思い込んでいた出来事の意味が
厳格な定義があると思い込んでいた言葉の意味が
強い風にしなる木々のように
大きく頭を振って 空に向かって拡散していく

反射的に感じ取り行動しなければならない
私たちの日々

生きるため ルールに乗るために 
 たくさんの意味の可能性が 
 不器用な手で封じられている

体が開いて 森に重なり
枝のしなりが 私をなだめる

また 必ずここへ来なければ

そう 日常のなかでまた 煮詰められていく狂気の中で 

 この森への道を忘れていなければ


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