海という名の、/灯和
 
 まだ熱の残る砂浜を歩けば
 私の中の?海?が呼応し始める。

  感情の波に流されないためには?
  自分の願いを叶えようとして
  自分の過去を認められないほど
  私達は幼かった
         けれどそれもまたひとつの思い出でしょう?

 この左手の小指に
 しっかりと結ばれた赤い糸は
 一体何に染められたというの
 キリキリと指をしめつけてできた
 傷跡から漏れる血 の色か
 風化して錆びついた涙の
 破片が溶けてしまったとでも?
        (そんなロマンは誰も欲しがらない)


 どうして、
 どうしてこんなに、
 掠れてしまったのだろう、私の?海?。
 突然、都合の良い神様が現れて
 例えば声、なんかを奪われやしなかったかい?

 君の息吹はまだ生きているけれど
 君にもう二度と、
 答えなど探させないように
 ?海?よ、その広さを私のために、
 
 ・・・少しだけ、分けてはくれないか。
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