【 哀れみ 】/
豊嶋祐匠
人身事故の現場を
対向車線から
目で流す俺は
もう人間とは
言えなくなった者を
いぶかしく哀れんだ
無意味に消費する
日常のひとコマだと
忘れ去る俺の事を
あの人間とは
言えなくなった者は
どう、哀れむのだろうか。
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