あの世へ行く時/Hantama/ibukijohn
る梅干しの中でも
飛びっ切り酸っぱいヤツを
口の中に 放り込みたい
横たわった僕の口からは
きっと唾液が出るだろう
屍寸前の口元から
唾液がツーとこぼれ落ちる
だれがそれを拭くのかな
だれかはそれをスプーンですくって大切そうに瓶詰めにする
だれかは遠くでその様を見て微笑んでいる
私は半目でみんなを見て
もう片方の目で外を見てる
窓の外で木の葉が落ちるから
夏ではないと知る
その時 私が季節を悟った事を知ってか
次の世界の車掌さんが来て 次の世界の切符をそそくさと差し出し去った
http://johnyorizo.exblog.jp/5441441/
photo by YORIZO,
written by ibukijohn.
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