口誦さむべき一篇の詩とは何か/んなこたーない
、
かれの描いたモデルがいかようであろうとも、かれ自身がそこから脱却しているかどうかは別である。
事実、ランダル・ジャレルが論じたようにモダニスムとロマンチシズムとの間に相似点を見出すことは比較的容易なことである。
ある対象からぼくらが読み取るものは、もしかしたらその対象とは全くの無関係であるかもしれない。
自分の読みたいものをその対象の上に自ら書き込んでいるという場合だってないとはいえない。
「判断を差し控えることは、無限に希望を抱くことである」
「グレート・ギャツビー」の冒頭にこんなフレーズがあったと記憶する。
これは徹頭徹尾、積極的な人生観である。
もし理屈で通すのな
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