小鳥と青年/はじめ
自分の歌声に酔いしれる黄色い小鳥
あぁ俺はきっと世界一歌が上手いんだなぁと思った
黄色い羽もチャーミングだしきっとあのままペットショップにいたら雌にモテモテだったのに
でもこの歌は飼い主の青年から教えてもらったんだった 自分の部屋に閉じこもりがちな彼は青白い顔をして一日中ずっと布団の中に入っている
何処か具合が悪いのか強いて言えば 彼は心の病気で外にあまり出られないらしいのだ
病気のことも彼が俺に向かって毎日毎日耳にたこができるぐらい聞かされた
彼は母親に付き添われて病院に行った帰り ペットショップに寄って俺を購入した 俺はペットショップが好きだったから俺の住んでいる鳥籠
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