黄金週間/水町綜助
 
1997
ひらいているのか
ひらいてないのか
ラムネの瓶から転がりだした目で
すべての皮膚が内側からはちきれて
剥かれた/剥いた
滲む赤い体で
そのひとつの透明な血袋が
なににも触れないように
よろけながらすり抜けて
うろついていた


2007
透き通っているのか
つよく白熱しているのか
目を細めても捉えられないおもいでが
すべての地下鉄のブレーキ音のつんざきに
砕け/ちって
その音の名前が
重なり会いながら
打ち寄せて
だから
うろついていた


切り刻む晴天のなかで雨が降り
余白の中に立ち並ぶ鉄塔が
みどり色に濡れそぼり
切り取られな
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