海と声/
まほし
騒の遺伝子は
うみの底から続いているのだろう
それなのに、
波乱を孕みながら
ふかく ふかく
たどれば たどるほど
沈黙の果てに
飲みこまれていくのは、何故だろう
5
体内時計の
中心に満ちる、月が
赤々と落ちてしまわないうちに
生まれる前の脈拍を、
五線譜に散りばめる
音符の一滴が
昇華されて
海鳥の声となるなら
声よ
波が静まった先に
謳いかける虚空はあるか
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