石を投げる少年/ぽえむ君
 
夕焼け空の中だった
買い物から帰る途中の道で
少年は子猫に向かって
石を投げていた

少年はすでに泣いていた
ぼくの家では猫は飼えないんだ
小さな声だった

ぼくが悪いんだ
お腹を空かしたこの猫を見て
給食のパンをあげたら
ずっとぼくについてきて
家まで一緒に帰ったら
お母さんに怒られて
外に出しても
外に出しても
またすぐに戻ってきちゃうんだ

だから
だから
こうして石を投げれば
ぼくはこの猫に嫌われるんだ

少年は力の限り
石を子猫に投げつけて
全力で家に走っていった

猫の姿もどこにもなかった

気がつけば
夕焼け空から
冷たく暗い空になっていた
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