午後 p.1/ロカニクス
 
電車を降りると
点字ブロックが
花野に埋もれていた

あなたはここにある花の名を
一つとしてしらない
見えることもない

それでもその眼は
厳かなほどに瞬きをするから
見えているものを見ている

ホームの白線は小川だった
覗き込めば
白い魚が列を成している

音で分かったのだろう
あなたが白線を見つめ微笑んだ




[グループ]
戻る   Point(11)