子虫の羽/
ぽえむ君
ふと机に落ちてきた虫の
羽が綺麗に光っていた
いつもは黒く見えていた羽は
さわやかに透明だった
何の因果があって
ここに落ちてきたのか
少なくとも自分に
わずかな命の存在を
教えてくれた
ライトに照られた羽は
みずみずしさを反射させ
自分のもつ命を
精一杯に動かしている
もうすぐその命が終わるのだろう
けれども
哀れさを何一つとして感じさせず
どこかその生き様を知りたくなる
虫の羽はかすかにまだ動いている
戻る
編
削
Point
(7)