砂の埋葬。/紅魚
った、
小さくてまろやかな塊と、
苦労して、どうにかうずめた
あなたのつま先、と。
陽光と不可思議な風紋に彩られた、
白い一群は、
さらさらと静かに風化してゆく、
この上なくやわらかな、
あなたの、墓所。
つまんだ砂を
はらはらと零し続けるあたしは、
その忠実な墓守りに、なります。
波の音、波の音、
波の、音。
内側に、あなた、内包した、
温かな、砂に、寄り添い、ながら、
潮騒を子守歌に、
いつしかあたしも、
さらさら、と、
さらさらと風化、する
砂の眠りにつくのです。
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