砂の埋葬。/紅魚
 

たいせつなものは
いつだって砂の中。
積み上げても積み上げても
ほろほろと崩れてしまう蛍光性の粒子の奥、
そろそろとうずめてしまいたくなります。
波打ち遠く、
ひっそりとひっそりと隠したその隣に
あたしもそうっと横たわって、
くるぶしを砂が掠める感覚に、
身じろぎしたり、してみたいと思うのです。

しゃがみ込んで、
あなたのつま先に、砂を、かける。
ぱらぱらと散るそれは、
大半を風に流されながら、
それでも、
辿り着いた幾粒かは
カチリとした長石のような爪に弾かれて、
きっと、
花火のように色彩を変えてゆきます。

(うごか、ないで、ね、
  こ
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