葉月葉/氷水蒸流
落ちていた
ふちのない穴のなかを
空は役割を捨てたらしい
光はボレロに合わせてゆるゆる回り
白い猿たちは「 」の頭を転がして遊んでいる
飽きてしまうと時計の針を集め出した
君の手のひらに君がいて
僕の声は冬の風と入れ換わった
シアー シアー
攪拌するけやきの葉
葉脈をなぞって銀の笛が鳴り
腕に沿って蛇行する蔓草の上
盲いた死刑宣告たちはよろめき
ポロポロとこぼれ落ちる
ああ 勘違いをしている
花がひらくと
人のかたちはほどけた
あいだがある おぼろげな指と指に
すべての星があり まだ幼い
君の名を呼ぶつもりで 回転する神学的ダジャレ
無数の
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