首をかしげて/
松本 涼
光と影の悪戯な満ち引きに操られるように
僕の足は急いだり止まったり
そして派手に曲がった歪(いびつ)な足跡が
僕のたましい
美しい汚れと汚れた美しさの
どちらにも触れながら首をかしげて
暮れていく空を
見上げて歩いているんだ
あやかしの夢を見ても
淋しさばかりに憑かれても
時々に交差する誰かの足跡に
やあと手を振って
そして見上げる空にいつだって
愛されていることを知る
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