【短歌祭参加作品】春を待っていたのです/たにがわR
そういえば、春をずっと待っていたのです。春らしからぬ、風に身をよせ
いつのまに桜は散ってしまったの?桜のように私も消えたい
その月を明るくなるまで探してた。君も見ている青い月です
一杯の水をください。その水に、君の呼吸を少し溶かすの
その涙、明日も覚えているでしょう春に涙は似合いすぎます
その顔は、確かに君の顔のよう。でも君の素敵は、そこに無いです
つなぐ手は、僕が左で、君が右。確認もなく、手を握るのです
今日もまた、それが何かと探している。春に紛れる、その何かとは
その色は、あなたの好きな色でした。母の手にある薄桃(うすもも)の手紙
約束の日を改めて確認する。そう、そんな日は、春に無くとも
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